揚松龍治姶良保健所長の開式の挨拶に始まり、合意書調印が行われました。廣津南九州病院院長、奥姶良地区歯科医師会会長、堀川鹿児島県歯科医師会副会長（森原久樹会長代理）がしっかりと握手を交わした後、奥会長より次のような挨拶がありました。
「この度の、三者の口腔機能管理連携の合意により、患者さんのための“医療の質”の向上に歯科医師も貢献することができます。がん等に係る手術に際して口腔内を清潔に保つと、術後の発熱の抑制、ＣＲＰ上昇の抑制、術後合併症の減少、術後肺炎、誤嚥性肺炎の減少となり、抗菌剤の使用量も減少します。また、術前に歯の治療、義歯の調整をしておくと、術後早期に経口摂取も可能です。これらのことは、在院日数の短縮にもつながります。口腔機能管理においては、口腔清掃、義歯清掃の狭い意味での口腔ケアの他に、摂食、咀嚼、嚥下、構音、唾液分泌、口腔乾燥の問題など、口腔特有の機能の、保持・増進・回復への治療、指導も含まれます。手術前、放射線・化学療法の前の段階で実施することが重要ですが、実際には限られた時間内で処置をしなくてはならないので、かかりつけ歯科医が、がん患者に素早く対応できる連携歯科医となることが、今以上に求められます」
　
■「合意書」記載事項は以下のとおりです。

独立行政法人国立病院機構南九州病院と公益社団法人姶良地区歯科医師会並びに公益社団法人鹿児島県歯科医師会との口腔機能管理連携合意書

独立行政法人国立病院機構南九州病院と公益社団法人姶良地区歯科医師会並びに公益社団法人鹿児島県歯科医師会は，独立行政法人国立病院機構南九州病院において，手術や化学療法・放射線治療及び緩和ケア等を受ける患者の口腔内を清潔，かつ機能的に良好な状態にするために口腔機能管理を連携し，受診者が安心して歯科治療や口腔ケアを継続的に受けることができることを目的とした連携体制整備を構築することの合意に達した。
　　　平成28年3月31日

独立行政法人国立病院機構南九州病院
病院長 廣津　泰寛
公益社団法人姶良地区歯科医師会
会　長 奥　淳一
公益社団法人鹿児島県歯科医師会
会　長 森原　久樹